映画「サルバドル」の感想

映画「サルバドル」は、1980年代初頭のエル・サルバドルで起きた内戦を題材とした社会派ドラマ映画である。オリバー・ストーン監督・脚本、ジェームズ・ウッズ主演で、1986年に公開された。

主人公は、アメリカ人フォトジャーナリストのジェームズ・ボイル（ジェームズ・ウッズ）。彼は、エル・サルバドルの内戦に興味を持ち、現地で取材活動を行うことになる。しかし、現地で彼が目にしたのは、政府軍による虐殺や、民兵組織による残虐行為など、想像を絶する光景だった。

ボイルは、次第に内戦の悲惨さに打ちのめされていく。そして、彼は、自分のカメラを通して、この戦争の真実を世界に伝えることを決意する。

この映画は、戦争の残酷さと、その被害者たちの悲しみを、生々しく描いた作品である。ボイルの視点を通して、内戦の現場に迫っていく構成は、観る者に強い印象を与える。

特に、以下のようなシーンは、戦争の恐ろしさを強く印象付ける。

これらのシーンは、どれも非常にショッキングであり、観る者の心を揺さぶる。

また、この映画は、戦争の悲惨さだけでなく、戦争の背景にある政治や経済の問題にも言及している。

エル・サルバドルの内戦は、貧富の格差や、政治的な腐敗など、さまざまな問題が複雑に絡み合った結果、引き起こされたものである。この映画は、そうした問題を浮き彫りにすることで、戦争の根源的な原因を探ろうとしている。

この映画は、1986年に公開された作品だが、今なお色褪せない力を持っている。戦争の恐ろしさや、戦争の根源的な原因について、考えさせられる作品である。

以下に、この映画の評価を、いくつかの観点から述べたい。

演出

オリバー・ストーン監督は、ベトナム戦争を体験した経験を持つ。その経験を活かして、この映画では、戦争の残酷さをリアルに描いている。

特に、政府軍による虐殺シーンや、民兵組織による拷問シーンは、非常にショッキングであり、観る者の心を揺さぶる。

また、ボイルの視点を通して、内戦の現場に迫っていく構成は、観る者に強い印象を与える。

脚本

この映画の脚本は、ボイル本人の手記を基に、ボイルとオリバー・ストーン監督が共同で執筆した。

ボイルの視点を通して、内戦の現場に迫っていく構成は、ボイル本人の体験を基にしていることによるものである。

また、この映画は、戦争の残酷さだけでなく、戦争の背景にある政治や経済の問題にも言及している。

こうした脚本は、観る者に戦争の真実をより深く理解させるのに役立っている。

演技

ジェームズ・ウッズ演じるボイルは、内戦の悲惨さに打ちのめされていく姿を、説得力を持って演じている。

また、マリア役のジル・ヘネシーや、政府軍の将校役のマイケル・ガラントの演技も、印象に残る。

総評

この映画は、戦争の残酷さと、その被害者たちの悲しみを、生々しく描いた作品である。

戦争の恐ろしさや、戦争の根源的な原因について、考えさせられる作品である。

今なお色褪せない力を持つ、社会派ドラマ映画の傑作である。